水彩画家と絵の具メーカー(ホルベイン)技術者が、絵の具についての基礎知識、作画の技法に応じた絵の具と画用紙などの画材の特性や選択、水彩用画用紙や筆の特徴や扱い方などを対談形式で説明した本。
タイトルやぱっと見からは水彩画の描き方、テクニックの説明かと思いましたが、テーマは専ら絵の具を中心とする画材の話で、専門的な細部にわたり、最初からそうとわかっていたら読まなかったかなと思いました。しかし、対談形式で、彩りのよいイラストや図、写真が多用されているので、予想外に興味深く読み切れました。
顔料の固有の屈折率が糊剤のアラビアゴムの屈折率と近ければ透明水彩絵の具になりやすい、大きく違うと不透明水彩絵の具(ガッシュ)になるとか、顔料の粒子の大きさにより透明になったり不透明になったりする(25~27ページ)とか、自然乾燥の方がドライヤーによる強制乾燥よりも彩度(鮮やかさ)が高くなる(93~96ページ)とかいう話は、こういう機会でもないと知らなかったでしょうね。
著者の水彩画が掲載されているページが、とても美しい絵で感心しました。折角だからもっと多数掲載していただけるとよかったと思います。
あべとしゆき、小杉弘明 日貿出版社 2020年10月15日発行
タイトルやぱっと見からは水彩画の描き方、テクニックの説明かと思いましたが、テーマは専ら絵の具を中心とする画材の話で、専門的な細部にわたり、最初からそうとわかっていたら読まなかったかなと思いました。しかし、対談形式で、彩りのよいイラストや図、写真が多用されているので、予想外に興味深く読み切れました。
顔料の固有の屈折率が糊剤のアラビアゴムの屈折率と近ければ透明水彩絵の具になりやすい、大きく違うと不透明水彩絵の具(ガッシュ)になるとか、顔料の粒子の大きさにより透明になったり不透明になったりする(25~27ページ)とか、自然乾燥の方がドライヤーによる強制乾燥よりも彩度(鮮やかさ)が高くなる(93~96ページ)とかいう話は、こういう機会でもないと知らなかったでしょうね。
著者の水彩画が掲載されているページが、とても美しい絵で感心しました。折角だからもっと多数掲載していただけるとよかったと思います。
あべとしゆき、小杉弘明 日貿出版社 2020年10月15日発行