オス間闘争を中心としたヤドカリの行動生態学を専門とする著者の主として学生・修士・博士課程でのヤドカリ研究の経緯を綴った本。
タイトルは、ヤドカリ研究をしているからヤドカリ好きなんでしょと「誤解」されている著者が、自分はヤドカリに対して愛情は持っていないと宣言する趣旨だそうです(はじめに)。ヤドカリが交尾相手や貝殻に対して愛情を持たないという趣旨かと誤解して、そんなのどうやって確かめたんだろうという興味で手に取った私にはちょっと残念でした。
ヤドカリ研究者の業界では、ヤドカリの貝殻選択、貝殻闘争が中心的なテーマで、交尾のためのオス間闘争はほとんど研究例がなかったとか。その研究のために、交尾前にメスを鋏で貝殻部をつかんで持ち歩くという性向のあるヤドカリのペアを捕まえてはガードを外して他のヤドカリとペアリングさせたり、使わない片割れはペアから引き離して放置したりと、ヤドカリの恋路を邪魔することにかけてはかなり経験を積んだと、著者は自負しています(はじめに)。
海外の論文査読者から倫理面で問題視されたことが記されていますが、確かに、ヤドカリ好きの人が読んだらヤドカリがかわいそうで耐えられないかもしれません。
著者はすでに博士課程修了から6年を経ていますが、この本ではほぼ博士課程までの研究しか触れられておらず、その後の研究成果が紹介されていないのはどうしてなんでしょう。
石原千晶 海文堂北水ブックス 2022年8月30日発行
タイトルは、ヤドカリ研究をしているからヤドカリ好きなんでしょと「誤解」されている著者が、自分はヤドカリに対して愛情は持っていないと宣言する趣旨だそうです(はじめに)。ヤドカリが交尾相手や貝殻に対して愛情を持たないという趣旨かと誤解して、そんなのどうやって確かめたんだろうという興味で手に取った私にはちょっと残念でした。
ヤドカリ研究者の業界では、ヤドカリの貝殻選択、貝殻闘争が中心的なテーマで、交尾のためのオス間闘争はほとんど研究例がなかったとか。その研究のために、交尾前にメスを鋏で貝殻部をつかんで持ち歩くという性向のあるヤドカリのペアを捕まえてはガードを外して他のヤドカリとペアリングさせたり、使わない片割れはペアから引き離して放置したりと、ヤドカリの恋路を邪魔することにかけてはかなり経験を積んだと、著者は自負しています(はじめに)。
海外の論文査読者から倫理面で問題視されたことが記されていますが、確かに、ヤドカリ好きの人が読んだらヤドカリがかわいそうで耐えられないかもしれません。
著者はすでに博士課程修了から6年を経ていますが、この本ではほぼ博士課程までの研究しか触れられておらず、その後の研究成果が紹介されていないのはどうしてなんでしょう。
石原千晶 海文堂北水ブックス 2022年8月30日発行