


久しぶりにオーケストラの演奏会を聴いてきた。東京交響楽団第636回定期演奏会がサントリーホールで行われた。サントリーホールは初めて中に入った。ホールは2006名入る大きなホールである。割り当てられた席は1階席の後方だがA席となっている。一番右端の2席で2階の脇の席の真下。右側の楽器ばかりが聞こえるのではないかと心配したが、音のバランスは気にならなかった。ただし2階席の真下なので頭に圧迫感がある。
曲目の始めのムソルグスキー「禿山の一夜」(R-コルサコフ編曲) はどんな曲か重し出さなかったが、聴いてすぐ思い出した。そういえばディズニーのアニメ「ファンタジア」で使われていたという。しかし聴かないでいるとすぐ忘れてしまうというのも悲しい。
2曲目のラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」は残念ながら聴いたことはなかったようだ。パガニーニの主題といわれる「24の奇想曲」の24番目で使われる主題はよく覚えているが、このラフマニノフの曲は記憶には無かった。あるいは聴いているかもしれないが印象にまったく残っていない。本日は、途中のヴァイオリンのソロの直後までは記憶していたが、つい寝息をたててしまって隣の妻に起こされてしまった。


チャイコフスキーの第5番のシンフォニーは好きな交響曲のひとつである。しかしこの第5番は演奏会で聴いたことはない。テレビでも記憶していない。いつもCDで聴いていた。スコアを追いながら聴いたこともあるが、実際に聴いてみて新しい発見というか印象を得た。どうしてもこの交響曲は出だしのクラリネットのソロと、第2楽章のホルンのソロに魅入られる。私のその一人だが、今回新しい印象をもったのはティンパニーが有効に使われていたのだということ。「今更」の感想かもしれないが、ティンパニーがとても良かった。

実は第1楽章の最後のところでティンパニーの音がとても印象に残った。特に静かに終わる最後の5小節。ファゴットとチェロとコントラバスで暗く終わるとばかり思い込んでいたが、本日の演奏でティンパニーのリズムがとても重要であったことに気がついた。これがないと実に間の抜けた印象のはずである。スコアを見ていてもまったく気がついていなかった自分が情けなくなった。 これに気がついて本日は最後までティンパニーの音をずっと注目して聞いた。
今後はチャイコフスキーの管弦楽曲を聴く時はティンパニーに着目して聴いてみることにした。またあらたな印象を受けるかもしれない。そういった意味では実にいい発見をした演奏会であった。
そしてこのホールのパイプオルガン、是非聴いてみたいと思った。

