思ったよりなかなかの作品でした。プラビが高倉健ばりの役をこなしているが、結構決まっている。対するローガン・ラーマンも僕たちの視線で戦争を体験しており、実はこの映画は彼を通して、戦争を知らない人類への啓蒙映画としての役割も果たしている。
ローガン・ラーマンの挙動は一つ一つ僕たちの姿である。急に目の前にこの人間を殺せよと言われても異常者でない限り即殺戮するのは無理であろう。そんな水平な視点でこの映画は始まる。この視点は現代において、戦争を知らない世代が増えている日本においては特に重要だろうと思う。
あと一つ感心したのはこの舞台となるドイツはいわゆる本土決戦の姿であることである。あのとき、日本ももっと無条件降伏が遅れたらこういう本土決戦に対峙しなければならなかったのだ。それを考えると恐ろしい。(実際は沖縄では経験してしまっているが、、。)
終盤の、あのフューリーたる戦車はすなわち彼ら5人の家である。だから家を捨てて逃れるなんてことはできなかったのだろう。その心情はわかる。(分かるからと言って賛成はしないけど、、。)でもこのプラビは素敵だ。やはりかっこいい。
戦車の底に隠れていてドイツ兵に見つかって結局降参の手を挙げてしまったローガン・ラーマンの姿は僕たちの姿でもある。人間って、そんなものよ。けれどもそれを見逃すドイツ兵もいたんだよねえ。
ぽかーんとした気持ちで映像を見ていると、フューリーの周りからカメラが引いてパンしていくと、戦車を囲んで群がるように死んでいったドイツ兵の死体の山、山、、。これが戦争の実態なんだ。徐々に目が熱くなってきます。
秀作だと思います。しばらくは絶対に忘れない映画ですネ。
特にブラピが演じるウォーダディと戦争の過酷さをまだ知らない新人ノーマンの絡みがとてと印象的です。
戦争映画としてはかなり秀作で私も忘れられない1本です。
かなりの秀作だと思います。なぜか世間の評価は低いような。不思議ですね。
いい映画は映画ファンが一番わかるものなんでしょうね。
それでは、また。