舞台劇。二人芝居。そして出し物はマゾ。人間とは不可思議なもの?演出家はポランスキーそっくりの男優アマルリック。風変わりな気まま女はポランスキーの妻セニエ。おお、何とこのシチュエイションだけでもう十分Mでございます。
やはりセリフだけでどんどんシチュエイションが変わるこの映画、膨大なセリフ量、ワンシーンワンカットの多用(実はそうでもないところがポランスキーの成熟したところ)等々で、実はうすうす解ってくる結末に僕は少々食傷気味になる。
流麗過ぎるカット、演技、美術に目を見張りながらも、どうもポランスキーの手慣れたテクニシャンにはまってしまっていそうな映画作りである。
僕に多少M(またはS)の要素があればひどく面白く興味津々な作品になったんだけど、これは結局は演出家アマルリックの妄想劇でしょう(夢でもいいが)。セニエが妻のことを知っているという段階で確信する。そうすると、いよいよマゾッホの展開が加速する。その分僕は逆に面白くなくなっている(終盤)、、。
いやあ、ポランスキー様の独自世界は確かに面白いけれど、昔に較べる(初期の作品群)と理が勝っている気もしますね。このテーマでほとんどほとしばるものを感じないですものね。(僕だけなのかな?)
映画的には面白い作品です。少々しんどいけれど。相変わらず流麗です。もっと荒くてもいいのに、、。
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