【ガス・ヴァン・サント】にしてはいつもの冗漫な(失礼)眠くなるような映像の羅列が潜まっており、コンパクトな青春ものに徹しており少々びっくりしました。
若い人たちと愛と死というテーマは全く変わりません。主役の二人が新鮮でとてもいいね。特にあの若さで死期が決まっている【ミア・ワシコウスカ】の清新さは例えようもないほどまばゆく素晴らしい。まさにこの映画の一点の花である。
両親を事故で亡くしてから死の世界を垣間見るようになったという【ヘンリー・ホッパー】も初々しく素敵であります。アメリカにもこういうヤングがいるんだねと思っていたら、最近亡くなった【デニス・ホッパー】の息子と言う。 そういう意味ではこの映画では現実も飛び交っている。
そして二人を結ぶアメリカとは敵国の特攻カミカゼ役で【加瀬亮】が出演。この映画の芯でもある重要な役どころを好演。男の子しか見えなかった彷徨い人が女の子にも見えだしたら彼女は【加瀬亮】にいざなわれ天国へと旅立っていく。この3人が邂逅するシーンは素晴らしくいい。
一人で旅立っていくという冷酷な事実を描くのではなく、誰かがエスコートしてくれる死出への旅路というものがもしあるのなら、これほど至福で、素晴らしいものはないのではないか。
だから男の子も、女の子の葬式では泣くことはなく微笑みが見える。笑顔で女の子のことを語ることができるのだ。いい終わり方だね。ほんと、チャーミングな一編に仕上げた【ガス・ヴァン・サント】は僕からすれば生まれ変わったかのようだ。でもその反面、何か裏で控えているいつものチカラは感じなかったけどね、、。
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