レジスタンス映画って最近めずらしい。しかもイタリア、フランスでなくチェコのレジスタンス。これがいいのだ。
冒頭とラスト後にチェコの政治情勢が文字で語られる。チェコは連合国から見捨てられナチスに占領される。そのため派遣された彼らレジスタンス。チェコにとってはハイドリヒ暗殺は目立てば目立つほど効果的で、チェコの勇敢さを示せばよかったのだ。チェコの目的は連合国復帰である。
どこに国でも存在する人間軽視、いわゆる人間使い捨て論である。日本だって、戦争末期では日本兵をモノ扱いをした。共通して国家権力という醜悪さを呈しているのだ。
見ていてとても怖くなる映画だ。彼らに援助する人たちも死と裏腹である。そのレジスタンスたちも将来も恋人もある普通の若者たちだ。でも今彼らがやらないとこの弱いチェコという国は占領されたままだ。立ち上がる時が来た。
死を覚悟しても今彼らがやらなければだれがやる、という決意で彼らは行動に出る。彼らだって、好きな女性がいて、静かな平和な生活を望んでいるのだ。
そういう彼らの純真な心根を踏みにじる国家権力のおぞましさを、彼らの行動を通して僕はひしひしと感じる。彼らが純真であれば程強く感じる。
ラストの教会内でのナチスとの闘いは彼らの無念が爆発するように迫力たっぷりだった。あの水攻めの地下室はテーマが同一だからかワイダの「地下水道」を思い浮かべてしまう。彼らの最後が今でも瞼から離れない。秀作。
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