前作『アンチクライスト』の過激な遠吠えに閉口した僕ですが、やはり気になる【トリアー】の新作を恐々見てしまいました。いやあ、さすが大人。持ち直してる。特に前半の「ジャスティン」は一編のドラマとしても秀逸。意外性の展開もよく、さすが【トリアー】だね、と感心。
とにかく1部が絶品。だいたいこの作品、2部に分ける必要もなかったのに何であんな構成にしたんだろう。2部の【シャルロット・ゲンズブール】はそれほど見せ場もないまま、終わってしまう。ここでもやはり地球の終末を感じれば感じるほど明晰になっていく 【キルスティン・ダンスト】が魅力的で美しい。彼女を純粋な意味で美しいなんてことか感じたことは僕は初めてなので驚きの一言。素晴らしい演技でございました。
だいたい2部はただ諦観し「その時を待つ」人間を描いている。子供でさえそれが分かる。動物でもその時が来るのが分かるらしい。終末はこんなに美しいものなのかよと何か別の感銘さえ浮かべる始末。ただ待つ時間は長く、2部は10分に短縮してもよかった気がする。
それにしても他の脇役にも大物がかなり出演している。トリアーって、ああ見えて恐らくいい人なんだね。そういうことが映画を通して十分解ります。
こういうメランコリーって、ある意味素敵です。本作の舞台は自然恵まれた大金持ちだったけれど、巷の庶民たる民家では一体全体どういうことになっていたんでしょうねえ、、。
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