『CUT』の後見た映画だからか、【西島秀俊】のイメージが良く似ていて、多少混同してしまうぐらいだった。両作とも彼の暗い部分を前面に出し、「人間とは何か」といったドストエフスキー的興味に挑戦しているようである。
でもね、ちょっと映画的に深みが感じられない。テーマは重く深いが、大テーマに突っ込んでいない。悪く言えば表層的。このテーマを描くにはまず監督たる【伊勢谷友介】が人間についての考察について何らかの結論出さねばならないはず。
それが表出していないと思う。映像は常にこの何か分からない純真であるべき人間の影を追っているだけのようにも思われる。
途中出てくる時間軸の後戻りも、この作品に限ってはあまり意味を成さない。ある意味別の解釈を要求させられるときに使用するべきテクではないのか。
そしてラスト近くになって【西島秀俊】の起こした原罪とでも言うべき行為が語られるのだが、それが偶然似通っている事件の後、あのショッキングな行為で幼子を救うというラストもあまりに深い洞察力が感じられなく、彼の行為により幼子は「神を見た」というセリフを発する。しかし、それで観客を納得させるものでもないような気もする。
【森山未來】も主役であるなら、彼の心象風景がほとんど語られないというのも不思議だ。ただ単なる語り部になってしまっている。【伊勢谷友介】の、こういう西洋的大テーマに挑戦しようとするその努力は買いたいが、そこから先には進めなかったのではあるまいか。
まあ、こんなこと僕のような一ファンが言ってもどうでもいいことでしょうが、、。
なんかなぁ・・・と映画を観て久々にがっかり。
私が感じ取れないだけなのか
ほとんど心に引っかかってこなかったんですよね。
ヌートリアさんはどう書いているかしら?
とこちらをのぞきました。
絶賛されていたらどうしよう・・・
と少々心配でしたが、
自分では上手くいえない
「なんかなぁ・・・」が言語化されていて
とても納得できました。
西島君はとても好きな俳優さんなので
CUTも観に行こうと思っていますけれど
どうなんでしょうか?
映画ってやはり作るの難しいですね。
気持だけではどうしようもない。やはりこういう硬派の作品は監督の生き様が出てしまうのでは。
「CUT」は結構ファンも多いようです。
こちらの方がまだ気持ちの高まりは心情的にも入り込めるような気もしますが、、。
それでは。