ほとんど脚本などあって、ないような作品だ、といえば日本では諏訪敦彦を思い出す。本作もまさにそういう感じです。そしていつもよりドキュメンタリータッチが強く、ほとんど思いつめたようなハルカの表情が全編を綴る。
俳優陣は諏訪作品の常連であり、セリフもアドリブの連続であるかのようで俳優たちも十分それをわきまえている。けれども、広島の原爆はまあいいが、あのクルド人の唐突な場面はリズムを壊している。
この作品の特徴はメッセージ色が強いことである。西田敏行に言わせる各地へ引越した学校でのいじめなど、少々くどい。
「生きているんだから食わなければならない」「あなたが死んだら誰も家族のことを思い出さない」など、胸に来るセリフも多い。
しかし10年近くたってもうあのことがなきが如くの現代日本に警告を与えるには、やはりNHKの特集ドキュメンタリーを1本まともに見た方が3.11を考えるに十分であろうと僕は思う。
え、そんなもの見ないって? そういう方々にはじっくりこの映画を見ていただきましょう。
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