ハルストレム監督、好きだったんだけどなあ。デビュー作「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」が結局一番好きだなあ。逆に言えば多作だけれどそれを乗り越えられないのか、デビュー作がベスト1というのは結構あるようで実はそうでもないのだ。
で、本作。最初から夫殺しのまるで「逃亡者」風、唐突映像からこの映画は入る。いまどき指名手配されて安穏と暮らせるのだろうか、という不安。
ところがあっと驚くトリックをこの映画は観客に仕掛けている。でもなあ、いくらなんでもそれはないだろう。あまりのトリックに逆ヘナとなる。こんなことやってのけてハルストレム、平気なんだろうかと僕は心配する。
そして例のラストのラストの大トリック。いや、まあこれは面白かったよ。多少許せる気がする。あの手紙を見て(聞いて)一筋の涙も流れる。
でもなあ、ハルストレム、一流の映画作家がするべきことではないよ。と、本当に彼を心配する。ひょっとしたらスランプなんかもしれない。どうなんだろうか。
俳優は美男美女のクラシカルハリウッド系。男はちょっと懐かしき風昔イケメン。女はかなりいけてる美女タイプ。でも遠景からのショットから背がちょっと低いことが分かる。ご両人とも現代において何か少しだけ欠けている俳優たちである。まるで今のハルストレムみたいに、、。
作家は描きたいものがなくては作る必要なないと思う。少し充電したらどうだろうか?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます