この小説のテーマはずばり冤罪だ。普通のただ細々と日常を生きている人間が、ある日突然警察に連れられそれからは家族の絶望的な運命が待っている。警察、目撃者、弁護人、検事、裁判官、彼らを通じて見込み捜査一つで一つの事件が冤罪に引き込まれる様を、読みやすい文章、何よりも作者の熱意が読者に強く伝わってくる展開で、550ページの大作なんだが一気読みしちゃいました。
貫井徳郎の本を読んでいるときは電車では降りる駅を乗り過ごしてしまうことが多いので注意しなければならない。今回も2回やっちゃいました。
とはいえ、やはり冤罪にならないためには嘘は絶対に言っちゃいけないということなんだね。この本でも、あまりに警察の取り調べがひどすぎるので二度ともうああいう経験をしたくない青年がその場を離れたいがために捺印してしまうのだ。それが証拠採用となり、新証拠が出ない限り最高裁まで覆されることはないのだ。その恐ろしさと衝撃。
小説としては最後にミステリーとしてのひねりも見られるが、そうするとあの真犯人は一体誰なんだと僕は気になってしまいました。テーマが冤罪だから通常のミステリーでなくともいいのかもしれないですが、ちょっとすっきりしないかなあ、。
でも読書体験的には本年屈指の面白いミステリーで、貫井徳郎氏は今一番脂が乗っている作家のひとりでしょう。
貫井徳郎の本を読んでいるときは電車では降りる駅を乗り過ごしてしまうことが多いので注意しなければならない。今回も2回やっちゃいました。
とはいえ、やはり冤罪にならないためには嘘は絶対に言っちゃいけないということなんだね。この本でも、あまりに警察の取り調べがひどすぎるので二度ともうああいう経験をしたくない青年がその場を離れたいがために捺印してしまうのだ。それが証拠採用となり、新証拠が出ない限り最高裁まで覆されることはないのだ。その恐ろしさと衝撃。
小説としては最後にミステリーとしてのひねりも見られるが、そうするとあの真犯人は一体誰なんだと僕は気になってしまいました。テーマが冤罪だから通常のミステリーでなくともいいのかもしれないですが、ちょっとすっきりしないかなあ、。
でも読書体験的には本年屈指の面白いミステリーで、貫井徳郎氏は今一番脂が乗っている作家のひとりでしょう。
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