アメリカといってもハワイだからまた色合いが違うんだよね。まず冒頭の映像のビル群がどことなく違う。どこかホンワカにょきっとビルが建っている、、。そうそこは僕らが見慣れたアメリカではない。自然の臭いが充満する人間臭いハワイのアメリカだ。
この映画はただ単なる女房の浮気から発生する家族の物語を紡いでいく。それは深く、過去のルーツをも考えさせる。単なるハリウッド映画だと思っていた僕は、この映画の伸びやかさから古き良き時代の日本映画に通じるものを感じ、はっと驚きを禁じ得なくなる。
それはやはり舞台設定が、現代文明オンリーのアメリカ本土ではなく、どこか太陽に近く水の音を常に感じ、どこか現地神まで感じ取る土着性のせいではないかとも感じるが、ちょっと前まで普通の会社人間だった男が、人を見つめ直していく過程で人間の本質に触れていく展開はまさに絶妙であった。
特に娘が連れて来るボーイフレンドとの家族性も包含し、まさに血だけではない家族を考えるに十分な秀作となっている。
これは【アレクサンダー・ペイン】と【ジョージ・クルーニー】の代表作になることは間違いないだろうと思われるほどだ。ラストシーンの、あの3人でソファでくつろぐハワイアンケルトが血と自然とそして生きる糧のすべてを物語っている。掘り出し物の映画だ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます