原作未見。なのでこの映画をどう評価するか微妙です。というのも、、、
現代の小説では当たり前なのかどうかわからないが、人間の存在について、AIを使ったヴァーチャルを駆使して、あらゆるデータから総合的に編み出した「私」、といわゆる自分の脳裏にある正体不明で不可解な「私」、を対比させているからだ。後者の私は人間の始まり以降、あらゆる人々(哲学者から市井の人々)が日夜探求したものゆえ、文学もその結晶と言えるだろう。
難しいことは書けないが、このバーチャルがどうも嘘くさいのだ。と言うより、この映画を見て「なかなか便利なもので有益ではないか」と思ってしまう人がいるよう実は私は怖いのだ。
さて、脇道に逸れた気がします。私とは何か、人間とは何か、すなわち生きるとは何か、暗い道にほのかな灯りをともしてくれるような作品だなと思いました。けれどラストの母親の「大切な話」はあまりに普遍的すぎて少々鼻白みます。
でも最近、石井作品をよく見ています。社会の弱者をターゲットにするその姿勢にかなりの関心を持って見ています。
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