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阪本の新作だ。この人の作品群がそのまま私の映画歴ともなる。さて、今回は珍しくエコをテーマに、江戸末期の文明砲がとどろく時代の市井の人々を描く。
題名。「おきくのせかい」ではなく、「せかいのおきく」。このことで人が文明を見つめるすべをもつことで、世界の広がりを経験したことを示している。
さてその彼らは一体全体どういう人たちか。糞尿を回収し、それを農家に売りさばく、市井といっても末裔のひとたちだ。最初から最後まで糞尿の世界がお目見えする。
モノクロなのでそれほど気にはならないが、人の排泄物や紙切れが循環するエコは江戸時代の方が現代より勝っているという。そんな日本人の知恵。今の現代人にどれほど分かっているか。
そんな世界に男と女は愛し合い、人とのつながりは増してゆく。それはすなわち世界の広がりであるのだ。
阪本のシンプルな視点。それを映像のモノクロで凝縮していたカメラ。見事!
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