思ったより明るく、変に号泣を許さない映画であります。ぺーソスがあり、クスッと笑うシーンも多い。けれど人間の終わりを見つめた作品である。誰もが一度は見るべき映画でもあります。
全然退屈しない。演出が流麗なのである。脚本も良く練られていて、無駄がない。それでもって、俳優陣がみな達者である。これで面白くないわけがない。
ラスト近くの、哀しみを共有する男と女が泣きながらセックスするシーンは驚きもし、感動もした。みんな人間なんだ。そんな当たり前のことにこそ感動する。
終活の話なんだが、4日間という時間の配分で、うまくまとめている。男はそれまでに十分というほど懊悩しているので、もう決めたという潔さもある。それでも、うわべと中身は違うのである。死と向き合うと、人はすべて真摯になり、透いて見えるのであろうか。そんな大きな視感がこの映画にはある。
常に、自分だったらどうなのか、を否が応でも考えさせる映画でもある。そういう意味で老齢者だけでなく、若い人も見るべき映画でもあると思う。死はいつかきっと誰にも訪れる。人生なんて、長いようで、あっという間で、瞬間の出来事なんだという人もいる。
読後感のすこぶるいい映画です、充実感があります。
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