劇は結構卑近な話を装い進行する。ラブホが舞台となる。そこにいる中年女性。受付をしているが、人生を捨てた風情でもある。うーん、これはと思っていたら、何と直球の女性の、女性による、女性のための演劇が展開されてゆく。
これは参ったなあ。男性の入り寄る場所がありません。題名の胎動も実際劇の最後に観客はしっかりと聞くことになる。女性の哀しさ、美しさ、強さ、それらがつぶさに何重もの輪になって観客に迫ることになる。
後で考えたら、つぼさかの役はああそうなんだと思わせるところが随分あったのだが、普通通り見ていたのであんな仕掛けがあるとはつゆ知らず、実際その反動で感動度もすこぶる強まった。
そのつぼさかの、切々と訴える哀しみの、しかし明るさまで感じさせるセリフのすごいこと。彼女の持っているすべてを出し尽くしているとしか思いようのない見事さであった。彼女の人間表現はほとばしるようなみずみずしさ、強さを感じさせるものであった。
ああ、演劇って、説得力を感じさせるとすごいなあと思う。いい劇であった。
ありがたいコメント頂いて大変恐縮です。
お陰さまで無事千秋楽を迎えました。
また、どこか劇場でお会いできますように。
今回は舞台を観ていた恐らく全員が感動を得たと思える空気感でした。
いい舞台でしたね。
演じる方も見る方も充足した時間を持てたのでは。
次も楽しみにしています。