「二十四の瞳」に続く完全反戦映画なんだけど、最初の方は人間関係が込み合っていてよう分からんかったです。でもそのうち、「人間が死ぬ=どこかで人間が生まれる」のリフレイン、そして絶え間ない戦さに人生そのものを投げ出したくなる農民の心情が本当に明瞭になってきます。
「戦争中ただつくねんと荒れ地を耕す農業」VS「死を覚悟はするにせよ農民から武将への出世がつかめるかもしれぬ戦さ」、とあらば、若者はいかに選択しようや、、。などの若者の本音の心情も見える。
でも何といっても俳優陣大勢の熱演に水をぶっかけるのが、みんなが言ってるあのパートカラー映像であります。
パートカラーといったものではなく、モノクロ画面に硝子板に絵の具を塗って固定させるような稚拙な映像がなんと全編に渡って続くのであります。もうこれだけは慣れろと言っても慣れるものでなく、これがなければ随分と印象の違った映画になったものを、とかなり残念になりました。
今まで加点をしたことはありますが減点は初めてかも。かなり恥ずかしい木下映画だと思います(総天然色映画が出始めた頃だからか、斬新だと思っていたようだが)。彼の反戦に対する気持ちは十分分かるだけに残念な映画です。
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