結構長い芝居です。2時間15分。若い男が迷路に入り込んでしまいなかなか外に出られなくなる。そしてそこにいる住人に騙され裁判にかけられ死刑にされてしまう。まるでカフカのごときストーリーである。「審判」を思い起こさせる不条理劇である。ここで前半。
その後初老の男性がまた迷い込んでくる。彼はあの若い男性と何か関係があるのだろうか、さて、、。と面白がっていたら、ただ単に若い男の再現が初老の男にも用意されていただけ。前半と設定、セリフもほとんど同じ。観客は忍従を余儀なくさせられる。
おまけに今日は夏日で外が熱く、僕の席はたまたま冷房の吹き出し口だった。とても寒い。演劇の出し物が寒い上に、環境という苦が僕を待ち受けていた、、。
とはいうもののこの演劇自体は立派。セリフの多さを役者たちは立派にこなしていた。何か、現世をこの迷路に見立ててしまう僕。どこにも行きようがなく、行っても行ってもまた戻ってしまう。この悪夢のような迷路は現代人の日常なんだろう。ある意味ホラーでさえある。
それにしても西洋人はタフですなあ。この原作が外国人であることを後で知る。外に出る。夏の日差しがまだ残っていたが、劇場内のあの寒さを経験すると心なしか暖かい気さえした。怖い演劇を見たものである。でも充実した時間、、。
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