また最近顕著な事実立脚もの。いつも言ってるが、こういうのって事実そのものに関心が移り、映画本体がどちらかというとそっちのけになるんだよね。あくまで作品は映画そのものにあるはずだ。
まあこの作品で僕が一番感動したのはレンチが「それでもあなたを赦します」「赦しには苦しみが伴います」というセリフだった。
恐らくフリアーズの狙いもここだと思うんだが、アンソニーの生き様がかなり断片的で、心情があまり観客に伝わらないこと。また、映画を見た余韻が軽いのかなあ、感動的な映画という演出をフリアーズが避けたことが原因と思われる。
ミステリータッチでありながら、エリートと庶民の普通おばさんと対比させたいわばユーモアたっぷりの珍道中を大筋の味付けにしている。だから大仰しい感動映画にはならない仕掛けである。見事観客の期待を裏切る配慮がしてある。
でもやはりこういう非人道的な行いがつい最近まで続いていたことに怒りを超えて驚きを禁じ得ない。宗教って本来の意図を超えて人間どもはどんどん撹乱していく。これも人間の愚かな性なのか、、。
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