何か昔見たことがあるような、確か『集金旅行』だったけ、東宝にそんな映画があった。最低の一日を過ごす女。ふと元彼に貸していた借金を思い浮かべる。しかし優柔不断の元彼は誠意はあるもののカネを全く持っていなかった。そして、、。
仕方なく、男に借金をさせるための集金旅行と相成った。うまい設定。いい脚本。それに実力俳優の二人を配し、映画はぴか一の出来となっている。
でもこの男はダメだけど優しくいい男なんだ。これはモテるわなあ。カネにはだらしないが、天然イイやつという人間はいるものだ。ある意味こういう男は男の敵でさえある。
案の定、集金旅行先では、男ののらりくらりの嘘八百も許し、無理をしてまで男にカネを貸す女が続出。(というか、借用書も書いていない風だったから、あげている。)それでも親族たる従弟の男(唯一男だ)は、多少会社をつぶしてしまった男に批判めいたふりはするものの、扱いは意外と暖かい。
まあ借金もほとんど小金だが、ちりも積もればで、夕方には女は目的の金を得る。しかし、最低な朝を迎えた女は8時間ほどの短時間で、素晴らしい時を過ごしたことを知る。心が優しくなり、暖かくなる。男と別れがたい気もするが、その気持ちを断ち切り、男に車から降りてもらう。
それだけの話なんだが、何か観客にもふわーと暖かいいい気持ちにさせてくれる映画だ。人間、「カネ、金」と思い続けるとぎすぎすした気持ちになってくるが、人生はカネだけじゃないだろう、ということなんだろうな。
でもねえ、何カ月男と付き合ったのか知らないけれど、その間、女は、男の一番素敵なところに何故気付かなかったのだろうか、、。考えたらそれが一番謎として残る。とすると、この映画も作り物としての厭らしさも多少垣間見えてくる。こういうことを考える僕もそもそも厭な人間なのかなあ、、。
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