石持の作品、この作品で今のところ一応全作突破。こういう作家は意外と珍しい。それだけ一点一点がきらりと光る秀作ぞろいだということなのだろう。
本作はさらに極まって何と役員会議室でミステリーが始まる。場面は総務部とそして一部だけ外部の家があっただけ。内容はいわゆる今流行りの内部たれ込みというコンプライアンスものなのだが、、。
会議室で行われていることを推理しながら、少しの情報だけで会社の機構・人物考証まで見据えようとする、いわゆる安楽探偵ものである。これがワクワクするほど面白い。
少しでもサラリーマン生活をやっていた人間には細部にまで臭いが伝わる秀逸な構成である。
たまげました。ますます石持の才能を認める結果となりました。たったこれだけのデータで一つの本格ミステリーを作ってしまうとは、石持大したものだ。実にすばらしい出来。感心。
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