2時間を超える作品だけど、あの一つのテーマだけで最後まで持って行かせる演出力は大したもの。それには俳優陣の演技力に負うところも多いけれど、、
子供たちを守るために夫を殺害してしまう、そんな子供たちから母親を見つめた映画です。彼女がした行為は本当に子供たちを守ったのか、という大きなテーマが本流で流れています。
けれども最後まで不可解だったのはどんな理由にせよ人を殺めた一個の人間から殺人を犯したことの懊悩が全く見られないことです。この作品はあのドストエフスキー「罪と罰」のアンチ・ラスコーリニコフ版ですね。
この部分が不明瞭というか、欠如しているためどうもこの作品に同調できない自分がいます。作品的には現日本映画では粘着力の強い秀作であるだけに、惜しい気がします。でも原作通りであれば、何をか言わんですね。
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