この色彩、閉塞感、奥底に流れる哀しみ、、まるで佐藤泰志原作の映画群(海炭市叙景他)を見ているようだ。群像劇の舞台が古びた団地というのもキャシロフスキの「デカローグ」を思い起こさせる。すこぶる私の好みである。
冒頭からしばらくは何が起こっているのかわからない。そのうち、この団地に住む4人の、パズルがばらばらになっていたのが、少しずつはめられていくと4人の人生がくっきりと見えてくる仕掛けである。見事だ。
彼らの行き場のない心情を描くに4時間はやはり必要だったろうと思う。久々にじっくりとひとの哀しみ、人生の色濃い陰影を見る。秀作である。こういう映画を見たかったのだなあと気づく。
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