昔「白バラの祈り」という大学生たちのヒトラー体制への抵抗を描いた秀作があったが、同様の感銘をこの映画はもたらせる。
ただ味わいが、この危険な抵抗運動を通して彼ら夫婦の愛情が深まってゆくところがすごいし、それは単なる抵抗映画にとどまらせてはいない。
ドイツの話なのに、全編英語で語られるこの愛の物語。ドイツの名優ダニエル・ブリュールにさえ英語でしゃべらせる。何か違和感を感じ始めて観た映画だが、これも名優エマ・トンプソンとブレンダン・グリーソンのほとんどセリフさえ必要のない名演を前にしては、もはや言うべきこともないであろう。二人の演技を100%演じさせるには英語が必要だったのだ。
日本だったら、二人の運命を認識するシーンでは、「これで息子の元へ行ける」なんてセリフを吐くのだろうが、この映画ではそんなこと口にもさせない。息子の戦死がきっかけで二人で始めた抵抗運動はではあるが、夫婦の絆を強くし、新しい愛さえ感得したかのような強さをもたらしたのだった。
そう、この映画は男と女の強い愛の姿を描いた秀作だと思います。断然酔いましたネ。
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