大好きな沖田作品。今回は画面に大写しの昆虫がたびたび出現する。主人公モリから見た庭の自然の営みがありのまま映されるのだ。他愛ない映像の連続なんだが、画面から息吹を観客はもらう。映像から自然の恵みをもらうという稀有な作品である。
ラスト、モリ邸をカメラが高みから俯瞰する。人間の営みも全く昆虫のそれと同化し、人間の優位さなんて全くないなあなんて感じさせる。素晴らしい自然賛歌映画であります。その呼吸感がたまらない。
その中でも珍しく夫婦としての会話が成り立ったシーン。夫はまだまだ生きて行きたいという。妻はもういいという。その呼吸感が夫婦の一体感を形成しているんだなあ。
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