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路上のソリスト (2009/米=英=仏)(ジョー・ライト) 70点

2009-06-04 15:31:33 | 映画遍歴
実力監督者らしく映像は美しく、映す人間は悩み考え優しい人間たちである。人間と人間との関係を描いた秀作なんでしょうが、、、。

題名から米映画だとは思わなかった。芸術至上主義者のチェリストのハナシかなと思ったが、そうではなく、そもそも人間と人間との関わり合いとは何なんだろうか、という本質的なことを考察した映画だった。

統合失調症って、どんな病なのかはっきり知らないが、この映画、【ジェイミー・フォックス】の路上生活にいたる経緯をすべて病気のせいにすることは出来る。

確か失調症って、うつ病のような罹患率が高い病気ではなく、昔分裂病と呼ばれていた精神病だと聞く。 医者でもないただのコラムニストが、軽症とは言えど失調症の人間を音楽を通して普通生活に導くことが早々簡単だとは思わないけれど、映画ではビジネス的な思惑もあるのだろうが、【ロバート・ダウニーJr.】の、奮闘する様が描かれる。

恐らくこれは実話なんだろうけれど、映画的には彼が天才的な音楽力を屈指するなどの奇跡的出来事があればまた別だが、やはり路上生活者はそれほどドラマチックに回復することはないのである。

この路上生活者とのやり取りから、人間対人間の関係性の難しさ、結びつき、愛を映画は探ろうとしているのだが、何故か僕には遠いハナシのような気がしてならなかった。どうしても病人という先入観があるためか、この路上生活者がそういう人間探索からは普遍性を持たないのではないか、と考えてしまうのである。

この路上生活者を捉えて、人間対人間との関係性を考察していいのだろうか、という単純な疑問が生じるのであります。

と、こういう想念が一度出てしまうとこの映画にそれ以上気持ち的に入り込むことが出来ず、ただ映像を眺めている自分にふと気付きます。映像、演出的にはホント文句なしの映画ですけれど、、。

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