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消されたヘッドライン (2009/米=英)(ケヴィン・マクドナルド)  80点

2009-06-04 14:24:01 | 映画遍歴
かなり多重奏のサスペンスで、防衛問題からの国家と企業との癒着、暗殺者が飛び交うスリル、現代の男と女の恋愛、男と男の友情、そして真のテーマであるジャーナリズムそのものを骨太に描いた力作だ。

予告編から気になっていた【ラッセル・クロウ】の容貌。髪は変に長く、相変わらず肥満そのもののボディ。これじゃ恋愛映画にはならんだろうなあ、と思っていたら 立派に三角関係をさらりと描いている。彼は腕の立つ記者であり、恋愛より友情より何より常に頭は記事のことしかない。

特ダネ必至という上司からの至上命令。スキャンダラスな内容より、社会構造の強烈な指摘を元に有効なヘッドラインを書きたい純粋な記者根性が画面を覆う。

一方この映画はサスペンス部分も秀逸で、一見複雑なようで秀逸なミステリーを読んでいる雰囲気に包まれてくる。ハナシが交互に交錯し、意外な真犯人を見出すまで、観客の頭の中は綿密な脚本に導き出され心地よい映画術に酔わされる。

まあ、このどんでん返しは多少違反気味でもあるけれど、しかし、面白い。途中でこの映画に出演する理由まで気になりだした僕であったが、【ベン・アフレック】の演技も秀逸で、さすが期待に背かないいい出来。【ラッセル・クロウ】とがっぷり四つだ。

【クロウ】もうまくなっているねえ。セリフと目の演技の間合いもいい。出し過ぎないところがまたいい。【アフレック】との動と静の対比も完璧。久々に見ごたえある社会サスペンス映画となった。けれど、これだけのいい映画で、しかも娯楽的にも優れているのにこの観客の少なさはどうしたことだろう、、。配給映画会社ももっと優れた命名が出来ないものか、、。

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