僕としては映画で久々に吉高由里子を見られたというのが一番。しかも、絶妙で迫力のある演技。彼女はやはり映画女優ですなあ。この題材を現代で堂々と映画館で上映されるのも好ましい限り。
ただ、この特異な病気(と言ってもよいだろう)の女性が辿る遍歴の中でのあの、リストカットの延々描写がぼくにはきつ過ぎた。スクリーン左壁の非常誘導灯を何回見たことか。
ミステリー的要素はほとんどないが(あんなに警察が甘いとは思われないので)、徐々に主人公がおのれの存在帰結を知るまでの、まさに「ユリゴコロ」を読んでゆく過程が興味津々で、なかなかの流麗な演出と相まって、面白い作品となった。
ひょっとしたら、こういう猟奇ものに興味を覚える人たちにとっては、カルト的な意味合いを持つ映画となるのかもしれません。さらーっと見過ごしてしまった吾輩とは全く違った感想になるかも。
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