数々の賞を受賞という触れ込みでこの映画の評判を知るが、最近僕はヨーロッパの映画賞をあまり信用していない。特にカンヌは見て失望する映画も多く、少々期待してはいけないぞと思いつつ、だが、性懲りもなく、見てしまった。
そしてこの映画。大体、この男、社会的には褒めれたことをしている人間では決してない。いや、実に、ヤクの売買をやったり、頼まれて強盗の手伝いをして車を運転したりするコソ泥風情なのである。
けれど自分の愛する娘にはべっとりするほど愛情を注いだり、子犬がうるさいからと冷凍室に閉じ込められていると聞いたら、やみくもに安全を顧みもせず、犯行場所に舞い戻る真人間ぶりも介在する男ではある。
しかし、犬との共棲を生活の基盤にしている割には、友情ありきと思っていた強敵シモーネをラストは完全に家畜化し、徹底して家畜として残酷にも殺戮するのである。どうもこの主人公に僕は気持ちが向かうことがない。犬をこよなく愛するこの男が、どうしてこういうことができるのか、なんだか矛盾してる。
すなわち嫌な野郎なのである。彼の心情にも当然ながら同調などできないし、むしろ虫唾が走るほどである。
そういう意味では僕にとっていやな映画なのである。平凡な僕にはこの映画の良さがわかりません、、。
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