連城三紀彦の遺作。ミステリーの手法を採りながら、男女の微妙な愛を掘り下げる名手であった。一頁ずつ開いてゆくと、病気を抱えながらこれを書いていたのかと驚くほど緻密で素晴らしい構成に唖然とする。
8編とも秀作ぞろい。ミステリーも最後の最後まで練られていて、ストーリーも斬新で、まだまだ新しいものに挑戦している連城の姿勢を強く感じる。スゴイ。
ほんと、ミステリー界は惜しい人を亡くしてしまったと思う。多作ではあったが彼の残したものを今一度読み直すことを考えている。彼の作品はもっと評価されていいのではないか。
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