これはね、とにかくすごい映画です。韓国って、肉食で、血がたぎっていて、どんどん昇り詰めて、すとーんと落ちる。そんな映画もこれまで見た。でもこの映画は、違う。最後まで昇り詰めて、昇り詰めてそこでEND。僕までどわーと血流を感じる、、。
チョン・ウソンが美男ぶってないのがいいんだよね。というか、むしろその逆を行ってる。最初見たとき、落ちぶれて元気がなく、警官なのにチンピラ風情で「迷える羊」感が漂う。あれ、チョン・ウソン年取ったなあ、って思っちゃって。これはもうこの段階で僕が彼の魔術にはまってるということなんだ。
彼はこれをやりたかったのだ。それはだんだん分かってくる。
でも、彼よりももっとすごいのが、あのファン・ジョンミンさまである。ちょっと前まで、ハートフル映画では韓国映画ダントツの主演俳優だったのが、どういう意識変革か、「コクソン」といい、この映画といい、彼の今まで貯め込んだ演技力を爆発させるかのような怪演ぶり。ものすごいわ。ずっと、彼もウソン同様我慢してたのかなあ、、。
もう、ウソンがかすむほど、ジョンミンの独壇場なのである。
そしてもう一人。これは脚本のスケールの大きさの象徴なのだが、普通の鬼検事が、土壇場(土壇場とは、刑死の時おのれの首を出すその瞬間時であるという)でおのれの本能的なものに抗わない悪に豹変する瞬間。それはそれは、目をふさぎたいような恐くて、それでいて何やら凡人にも理解できるシーンではあった。
この儲け役をクァク・ドウォンが力演。意外とでもいうべき演技力を見せつけてくれる。
ジョンミンのあの、下半身フルチンのけったいな変態シーンの長回し。そしてラストの殺戮の洪水とでもいうべき飛沫する血、血、血、、。結局、そして誰もいなくなった、というこの世の果てシーン。この映画こそ「たかが世界の終わり」という題名にふさわしいとか思ってしまう。
いやあ、すごいものを見せてくれました。韓国映画、まだまだ勢いが続くネ。日本人とそれほど食べるものが違うんでしょうかね。
今年の韓国映画では今のところNO1だ。
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