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観賞数 2025年 映画 06本、 演劇 06本

グッドナイト&グッドラック (2005/米)(ジョージ・クルーニー)

2006-05-13 19:01:13 | 映画遍歴
まずそのモノクロの美しさに震えてしまう。人間にとって自由とは何か、という本源的なテーマを1時間半ぐらいでまとめる演出が冴え渡っている。
当事のテレビ映像をそのまま画像にするなど、僕らが当事その場にいるような臨場感も十分で、重いテーマではあるものの画面に集中できるのはそういうテクニックが基本に据えられているからであろう。
ジョージ・クルーニーの演出には感心させられる。落ち着きさえ見えるね。
受けて立つ俳優たちの演技も全員見事で、緊迫感も漂い素晴らしい映像となっている。

日本人にはそれほど伝わっていないマッカシー旋風(赤狩り)はアメリカの文化面でも最大の汚点であり、映画界でもかなり犠牲になった人が出たのは語り草になったところ。
エリア・カザンが映画関係者を当事密告したのは有名な話であり、今でも好意的に見られていなかったが、つい最近アカデミー賞で特別賞をもらった時、拍手は少なかったように思った。会場はカザンからの謝罪のスピーチを期待している風でもあった。現代においても引きずっている問題なので、そういう認識を持って見ていると自由というテーマも重層的に自らのものとして観賞できるのではないか、と思う。
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