セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 93本、 演劇 71本

体育館の殺人(青崎 有吾 (著) 東京創元社)(2012) 80点

2013-03-16 13:58:03 | 読書遍歴

高校生の学園物、しかも密室ミステリー、さらに本格という触れ込み。年齢的(自分の)に少々気になる素材であったが、それは杞憂に終わり意外と面白い書きぶりで最後まで一気の作品であった。逆に読み易過ぎるのがちょっと欠点でもあるように思われてくる不思議な作品でもあった。

難点を敢えて言えば、僕の単なる感想に過ぎないかもしれないが、本格モノで、犯人探し、しかも関係者を一同に集めて真犯人を挙げるという正統派であるのなら、意外な犯人どころか、登場人物の書き込みデータが少な過ぎ、犯人がこいつだと言われても、「え、そうなの、ところでこいつはどんな奴だったけ」、といった感じなのだ。

一言で言えば淡色過ぎる。悪く言えば書き込みが足りない(小説になっていない)。けれどミステリーとしては高評価なのも納得できるぐらい面白い。部室住み込み探偵なんていうのもシリーズ化できる気もするし、現代の本格ミステリーに十分挑戦していると言える出来映えである。

次作も十分期待できる作品であった。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジャンゴ 繋がれざる者 (201... | トップ | 演劇ユニット小指にてぐす「... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書遍歴」カテゴリの最新記事