CGはかなり秀逸でどこかミスを探そうとしていたがその夢は大いに破られた。かなりのCG大作でありまする。映像は思ったよりすごいです。
僕たちは一連の猿シリーズの連作を知っているからラストが重要になってくるが、別にこの映画、単なる文明批評だと捉えて観賞してもそれ相当の評価は出てくる娯楽作品であります。
結構突込みどころはあれど、そんなこと言ってたら人類滅亡へまで繋がりません。けれど、あの製薬会社の社長が悪で、薬を作っておきながら途中で投げ出し、しかも人類滅亡への張本人である主人公が善人であるような古い形式には開いた口が塞がりません。
まあそこのところは思い切り目を瞑って、あの、橋の上のヘリアクションは見事の一言でした。小さなつぶらな眼を思い切り開けて見つめていましたが、ヘリが空中から落ちる所から海へぶつかるまで、ワンシーンカット(実はそうでもないんだろうが、、)に見せてスゴイ。驚嘆。(通常であれば最初と最後のカットをつないでちょいなんだろうが)
シーザーに視点を置けば、ペットの犬に吠えられ急に機嫌を悪くするシーンが思い出される。シーザーにすれば動物である自分を考える時、漫然とペットとして飼い習わされ安穏と生きている犬が許せなかったのだろう。でも、ここから彼の人類への復讐劇が始まるのだ。
ということは各家庭で家畜として飼われているペットたち、動物園で身動きできなく人間の慰めものになっている動物たち、彼らすべては人間に対して敵意を持っている可能性も無きにしも非ず、ということになる。そういう小さな文明批評は即忘れ、強引に第1作の猿の惑星に持ってくる辺りがちょっと面白そうで実はそうでもないことに気づく。
と言うのもこの劇薬を生じさせたのが認知症とはいえ、ただ単なる治療のための薬であるということだ。換言すれば、善意のための行為が人類を破滅に向かわせると言ったことにどれほどの意味があろうか、、。
とは言え、2時間結構楽しみました。ええ、そうですとも、この映画はエンターテインメントの秀作なんです。館内で浮世の苦労を忘れ、楽しめればそれでいいのかも、、。
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