確かにこれは平成のエラリー・クイーンですわ。現場に残る小さなものから推理してゆくそのロジックはこれぞ本格の香り濃厚だ。実は僕はこういう本格ミステリーを待ってたんだね。うれしい限り。
しかも著者はまだ大学生というじゃないか。これは将来楽しみでありますよ。
ミステリーにおいて道具を大切にするということは基本の基本である。読んでいてこの関連が面白いのである。文章もとぼけたギャグ満載でこれまた楽しい。
ただ、11人いた犯人候補を消去法で消していくといったまあその展開は悪くはないが、動機があまりにも軽んじられているというか、最後まで真犯人から告げられないのはいかがなものか。スマートでなかなかいいと思う人もいるかもしれないが、どうだろう、、。
11人の描写が浅すぎて読者が犯人探しに参加できないのもある意味本格から逸脱しているような気もするなあ、、。
でもすべてひっくるめて面白かったのは事実。この作者の才能に乾杯しようぜ。
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