移民の話なんだよね。中国系の女性はほとんど身売り同然の状態。売春婦をカフェカウンター係に変えただけの状況であると言っていいだろう。旧ユーゴ出身の男は移民者ではあるけれど、出稼ぎ系移民だろう。
そんな二人が詩を通じ、男と女といったものでない大きな愛を育んでいく。しかし、中国系への移民への進出を嫌った地元民が二人を追い詰めていく。
まあそんな話なんだが、ちょっと人工的でございます。ヨーロッパ系のアジア系への蔑視・畏怖は良く分かったが、あれほど心で繋がっていた老人男性仲間が急に男にそっぽを向けたり、女を解放する軍資金を提供したのが、ただ一緒に故郷を懐かしがっていた同室の中国女性だったというのも、ええ!ほんとかよ、と呟きたいぐらいで(これは僕が間違った解釈をしているのかなあ)ホント驚いた。
そして息子がイタリアに来たというのはいいとして、あのユーゴ移民老人が故郷に帰り(息子と同居したにもかかわらず)病を得て死んでしまたっというのも、よくあるお涙頂戴ごとしで、今ではマンガでさえそういうことはしませんです、って。
結局ヨーロッパでは移民に対して、特に巧妙で優秀なアジア系移民者に対しては恐怖に似た(まるでマフィアに似たような)感情を持っているということを強く感じてしまった。美しいイタリアの町を叙情的に映像化しているが、ある意味メッセージ映画でもあるのだ。
やはり映画って、製作者の意図が自ずと伝わるものなんですね。この題名に騙されてはいけません。
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