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高齢化社会における介護について、一考察を提言した作品であります。当然、老人ホーム殺害事件などを連想してしまうが、、。
まず刑務所に入りたがる女性高齢者が執拗に検事に迫るシーンが印象的だ。それは現代社会の過酷さを訴えているのだが、身勝手な人間だと言い切っていいのだろうか、、。
そして、42人もの高齢者を殺戮した松山と実の父親を見殺しにした検事(でも、孤独死のどこが悪いのだろうか? 母親も体よく施設へ入所させているが)との対比がこの映画の大きな骨格となる。
でも、だいたいが42人もの人間をニコチン注射で殺戮を繰り返していた男と、生きるために両親を粗末にする女(これは我々のこと)と同列に捉えていいのだろうか、とふと疑問が残る。
映画では、松山は全く精神的にも問題のない人間として描かれる。だから検事と等しく同一に比較されるのだが、やはりおかしい。42人の死が同じデイサービスで発生しているのだから、警察が気づくはずがないし、42人も殺戮しているのであれば、精神的にどこか病んでいておかしくはないはず。それなのに、松山は完全に智の人と描かれている。彼はカントまで読んでおり、裁判シーンでも全く健常なやり取りをしている。
で、この映画は原作未見で何とも言えないが、テーマの捉え方に問題ありきだと考える。高齢化社会をどう捉えるか、難しい問題ではあるが、過去の歴史からそれを紐解く何かがあるのではないか、僕はそう考える。考えたい。
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