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ベネチア映画祭で高評価を得た作品です。確かに実力派の監督作品だと思われるタッチです。
冒頭からの出だしも面白く、映像は緻密、演技も濃度が高く、カメラワークも天から見下ろす角度まで多用し、まさに神の目を感じさせる俯角となり、ベルイマン風。すなわち、芸術映画風で、見せます。ところがこの息子の戦士が誤報だと分かってから、少々胡散臭くなってくる。
ここからはもう観客がどう映像を捉えるかに尽きるでしょう。いわくありげに出てくる祖母だったり、無理に夫婦の絆を断ち切るかのようなストーリーを設定した後半部分、正直戸惑いました。父親が悪運を招いてしまうというオカルトっぽい帰結は僕を空々しい気持にさせます。
同一名ということでほっとする家族だが、実際同一名の戦死者は出ているわけであり、また何ら罪もない普通の人々(恐らくパレスチナ人)の死が隠蔽される現実。これも戦争といえばそれだけだが、全体的にマオズの立ち位置が気になった。
あのラクダの使い方は面白かったのですが、なにやらあのラクダまで神の権化に思われてきそうで、どうもこの映画、私には肌が合いませんでした。恐らく何か文化上の理由があるのでしょうが、イスラエルって国が妙に遠のくのを感じます。
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