ロング・トレイルという言葉さえ知らなかった。日本でもあるらしいが、この映画の場合、3500キロをただテントを積んだリュック一つで山道を歩く。当然完歩しようとすれば半年ぐらいはかかるだろうか、、。
珍道中の二人はシニアで性格が正反対の元悪友である。このお二人がいい。映画を見る前は名優二人の演技を観ることになるのかなあと思っていたが、観ているうちにそんな不埒な考えはどこかに吹っ飛んでいた。素直に大自然を前に人間は自然に帰りゆく。彼らは演技以前に戻っていた。
思ったより、山道だけを歩くのではなく、通過地点でホテルに泊まることもあれば、スーパーに買い出しに行くこともある。何といっても3500キロなのである。日本でいえば、九州から北海道まで歩くようなものだ。(日本ではこんな長い距離のロングトレイルはなさそうだが)
どのぐらい行ったのだろう、年齢、疲れ、そして何より元いた所への生活恋しさに二人はギブアップする。これがまたいいんだよなあ。無理して前だけを進むことはない。この潔さがこの映画のテーマとも融解し、じーんと僕は感動する。
ロバート・レッドフォードがこの映画を作りたくなった気持ちがよく分かる。男はふと大自然に、空満開の星に、そして古き悪ガキどもと邂逅したくなるものです。観ている間、ずんずんその気持ちが伝わってきました。
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