セントの映画・小演劇 150本

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ヤング≒アダルト (2011/米)(ジェイソン・ライトマン) 75点

2012-03-14 15:45:38 | 映画遍歴

若きキャリアウーマンにはかなり受ける素材でしょうなあ。37歳ってそんな年でもなかろうに、でも微妙な年齢ですね。社会に出て15年ぐらい。そこそこ責任もある部署にいて、しかしそろそろそれを維持するのに疲れも出てくる時でしょうか。

僕は男性だからというのでもないが、この女性主人公にはほとんど共感できないけれど、こういう人って結構たまに見かけるよね。でも彼女たちはセロンほどの美人はいないような気もする。彼女以外のフツーの女優がこの役を演じたらただ嫌悪感でどうしようもなくなるが、セロンだから見続ける持続力が養われる。そんな気がする。

それでもねえ、、。ハイティーンの時が自分の最高の時だとせよ、その時の元彼にベビーが誕生しているにも関わらず自信満々にモーションをかけるかよねえ。このタッチがコメディ風でもなかったからある意味ホラーにも思えた。まさに彼女が演技した『モンスター』と風貌は違えど、精神的にはこちらも完全モンスターであります。

僕なんかが思ってしまったのは、あれほどの恵まれた人間にもフツーの人間と同じく悩みは尽きない部分があるということですね。隣の芝生とはよく言ったもので、都会に行くこともせずダサい人生を送っているその他大勢の人たちが、スクールクイーンからすると、嘆きもせず、(闘いに疲れたとはいえ)選ばれた人間を憐れむ余裕があるのが憎々しいと思う気持ちは分からないではない。

諦めて安住している人たちからすればまだティーンしているこの吾人はうらやましくもあり憐れむ存在でもあるんですが、いわゆる「安住人=僕たちフツーの人たち」なのですよ。でも本来はフツーの人たちはフツーであることの幸せに実は気付いていない人たちが多いはず。

でもやはりハリウッドらしい終わり方。最後は今の自分の姿に生き映しの壊れた車でダサく大都会へ帰ってゆく。フツーであることの幸せを知りはしても彼女は彼女の生き方しかできない。人生なんて、短くあっという間。自分の納得する生き方をして何が悪いのか。

彼女は少々人生を知り、次のステップに入ろうとする。少々大人にはなったのかな。否まだヤングアダルトかな、、。

演技力だけで現代のモンスターを演じたセロンに拍手あれ。『モンスター』は肉体まで駆使したけれど今回は精神的というか演技力だけで磨き上げたキャリアモンスター。見応えありました。


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