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ヒューゴの不思議な発明 (2011/米)(マーティン・スコセッシ) 70点

2012-03-15 16:19:11 | 映画遍歴

3D眼鏡が嫌いなのである。眼鏡に眼鏡では、ずれ落ちるのである。落ち着かない。というか、無理に3Dにしている映画が多すぎるのだ。作品的にはどうかなと思ったが、『アバター』は確かに3Dを意識した映像映画で立派だった。

前置きが長いデス。この映画で初めてパッド式なるものを眼鏡に装着したらあのイライラ感は解消した。いやあすこぶる快調。これはいいことがあるぞ、と一人ときめく。

でも何故か乗らない。気持が入り込めない。映画愛をモチーフにした映画ファンならではの作品なのに盛り上がらない。「月世界旅行」の有名なカットも見るがうんともすんとも言わない。僕には映画愛がないのか、、。

眼鏡がずり落ちているわけではない。しっかりと装着している。何度も確かめた。けれどただ眺めている自分をそのうち発見する。何故かな、、。分からない。

映画の原点を見つめてみよう。そのためにはこういうモチーフで、機械人形を出しましょう。駅の時計の中が少年のすみかだ。もうこれだけで十分企画的に素晴らしい映画愛あふれる映画が出来るはずだ。そういう策略は分かる。

けれど、如何せん、この映画にはそんな観客と心情を同化する何かがない。少なくとも僕に湧きおこることはなかった。映画ファンなら絶対感動するはずだ、と言った驕りのようなものがどこからか見えて来るような作り込みだった。

何故なら【ベン・キングスレー】が映画を、映画愛を拒否したのか僕には全然理解できない。 映画を本当に好きな人は無邪気なはずだ。少年のような心根を持っているはずだ。でも映像からは一切そういうものが見えて来ない。

だいたい映画愛って何なんだろう。映画好きは、映画の原点にまで遡らないといけないものなのだろうか。映画がただ好き、でどこが悪いの?ちょっとそんな押し付けがましい気配が僕には見えてくる。

考えたら僕とスコセッシとの相性はそれほど良くない。何故だかわからないが、あの『レイジング・ブル』でさえ4点の僕。だいたいこの映画もそもそも意見を言う資格がないのかもしれないデス。


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