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海角七号 君想う、国境の南 (2008/台湾)(ウェイ・ダーション) 65点

2010-01-21 14:00:45 | 映画遍歴
不謹慎かもしれないが台湾については「二つの中国」、昔朝鮮、台湾を植民地化していたとういうことぐらいしか僕は殆ど知らない。そして台湾映画も随分見たが、この日本への怒りが全く見られない親日映画に日本人でありながら違和感を持ってしまう自分を見る。

今でも日本語をしゃべりだす老人。そして自転車に乗りながら日本語の「野バラ」を歌い出す。そして音楽の夢破れ故郷に戻っている青年。彼は宛先不明のラブレターを送り届けようとしている。彼は急造バンドのボーカリストでもある。

終戦とともに恋人を置き去りにして内地へ帰る男。本国で結婚をしたのちもくどくどと元恋人に手紙を出す男。この船のシーンが何カットも詩情を交えて映像に挿入される。

コメディタッチなんだけれど、だいぶずれてるんだよなあ。それほど面白いわけでもない。笑ってあげないといけないのかなあ、とか言う感じである。ボーカリストと日本女性との恋愛も何か自然でない。何で恋愛になるの、と言った感じである。それは彼らの心をほとんど説明していないからだと思われる。

肝心の詩情たっぷりの終戦時代の男女カップルも説明不足で何が何だか分からない。バンド相互の掛け合い漫才のような展開もそれほど面白いものでもない。

でも、一番不可解なのは冒頭でいったように、占領下にあった台湾での生活がそんなに望郷めいた良きものであったのだろうかということだ。舞台の町は結構田舎なのだろう、随分近代化が遅れてそうな街並みだ。なぜ日本を毛嫌いしないのか。日本語を強制され今でも反日運動が起こっている朝鮮とは全く逆の設定だ。

僕も随分台湾映画を見てきたけれどこんな親日映画は初めてだ。何か僕の頭の中でも唐突の感じなのだ。と、こう、映像を見ていて懊悩しているとだんだん退屈に思えてきてしまったから、今回の僕の映画鑑賞態度はよくなかったと思っている。

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