セントの映画・小演劇 150本

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ニューヨーク、アイラブユー (2008/米=仏)(チアン・ウェン他10名) 80点

2010-03-04 11:05:41 | 映画遍歴
オムニバス映画と思って見ていたら、10話の話が連作のような繋がりを見せて、むしろ群像劇と言った方がいいような構成で、全体としてニューヨーク・大都会の愛と孤独を実にうまく醸し出し、極上の酒を味わっている雰囲気がする。

さすが監督がそれぞれ違っているので、映像の色彩、タッチは違うものの、俳優がパーツにかかわらずところどころ出没するので一連の一つのドラマと見てもいいぐらい、斬新なタッチ。通常のオムニバス映画には見られない新鮮さを感じる。

冒頭のスリと男女二人とのスリリングな掛け合いは密度が高い。倦怠期の中年夫婦の不思議な晩餐、あっと驚く展開で深い人生の味わいを感じる。一番印象に残るのは元オペラ歌手【ジュリー・クリスティ】と足の悪い若ホテルマン【シャイア・ラブーフ】の時間を超えた不思議な出会い。ものすごい強烈な印象を残す。秀逸。

【ナタリー・ポートマン】の初監督作も少女を通して大人の人生の現実を描き、さすが非凡な才能を見せてくれる。画家と中国系女性との関係も、芸術の深淵を見せて強い印象。【スー・チー】が相変わらず素晴らしい演技。 そしてこの映画ではタクシーとニューヨークを映すビデオ機が陰の主役。都会に生きる人たちに光と影を投げかけ膨らみを持たせている。

世にあるオムニバスものでも最上級クラスの映画だと思いました。また見たい映画ですね。

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