小西真奈美さん、久々の出演作。朝早く起きて、確かな足取りで映画館へ。こんな気持ちは久しぶり。前作「振り子」はあの不幸な身の上がいまだ僕に尾を引いており、今回はどんな役なんだろうとものすごく気になった。
ということで、彼女の映画を見る吾輩はもはや通常の心境で映画を見ているわけではなく、彼女のシーンが出現するとドキドキしてしまうのである。いやあ、この年になって恥ずかしい限りであります。実は最近出演作が少なく心配もしていたのである。
見終わって、実にいい役だった、、。また、彼女の演技もまさに迫力あり、この映画を見てよかったと本当に思う。ファンの言葉はここまで。
で、映画の方はというと、2時間半の長丁場なんだけど、丁寧にしっとりと男と女の心の襞を描いており、まるで一本の小説を読み切った感もするほど、親近感もあり、好感が持てる作品となっている。
一番不思議な男の心根がこの映画の一番の謎の部分ではあるが、だれにでも分かるような描き方で、納得ができる。特にラストの犬の使い方は秀逸で、ぼくはもう彼女のストップモーションのところで涙がどっと出て来ました。
ご当地ものなので、新潟に配慮した映像も時折出てくるが、それは全く気にならない。「男は扇子でいう家族の要のような存在である」とのセリフにぐっとくる。まさにそうですね。瓢湖の白鳥の群れなど、心象風景としての撮影も見事でした。
ミッドナイトバス、始発は夜でも、到着時には朝日が射してる。現代においても人は夜の長い空間に生きなければならない人もいる。でも、ちょっと踏み出せば、そこには明るい明日がある。人を信じようよ。そう、そこには手を差し出してくれる人がいる、、。
そんな淡い希望を感じられるラスト。いい映画だった。今日はルンルンいい日です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます