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体裁から何通りも読めるという話題の書だが、どの編からも入っていけるというのは、読み終えた後でも、何回も後で再読できるといった今までにない取り組みを考えたからではないでしょうか。ほんと、そっとまた読んでみたい本です。私の蔵書になるべき本です。
6編、どの小説も弱者が登場する。この世を、この人生を混じりけなく見つめることができるのは彼らだけであるとでも言いたげな、底流に透明な人生観が流れている。このフォーカス感が素晴らしい。そして、道尾秀介がこの位置にとどまっていてくれていることが実にうれしい。
それぞれの6編は道尾からいただいた宝石箱のような淡い色彩を伴って透明感が底流に充満している。素晴らしい出来である。
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