これは13人ならず9人(うち一人は医師)の最後の晩餐の話ですね。実際のキリスト受難の13人を思わせる設定はなかなか意味深く、キリストとその弟子たちも死に対して何を考えたのかを強く連想させ、重く深い物語となっている。
それは、信仰とは何か、である。
冒頭で「お前たちは神々だ。しかし、お前たちは人のように死んでゆく。」の言葉がある。神の子キリストも人のように死に、そして死して初めて(死んだからこそ)人の心に強く残り、人々の信仰として崇められるようになったのだ。だから、彼らも最後は同じく殉教することで信仰を深めようとする。そしてその日常、、。
とはいえ、彼らも人間である。家族もいれば愛する人もおり、この世に未練もあろう。けれど、人間である前に、彼らは修道士なのである。神への信仰に身を捧げているのである。映画のテロリストたちがキリスト時代ではローマ軍にも比喩されようか、この映画はまさに現代のキリスト受難劇を描いている。
キリストと同様、彼らは死することにより、より人々にキリスト教を啓蒙できるわけである。だから死ぬことは怖くない。むしろ抗うことなく神の本意のまま死を選択していくのである。
映画は映像も明瞭で、殉教者を映す光と影を強く意識したカメラがとても美しい。
さて、現代におけるキリストを映像で再現し確認した僕たちはこの困難な時代を生き、今一体全体何をすべきなのか、、。
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