セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 96本、 演劇 72本

ミックマック (2009/仏)(ジャン・ピエール・ジュネ) 70点

2010-10-15 16:02:32 | 映画遍歴
心が清らかではないです。童心になれないです。妄想が好きではないです。現実離れができないです。お茶目な心になれないです。群れを作って何かと闘うという気持ちの一切れもありません。そして童話のような空想事が好きではない自分。 みんな僕自身の狭量のことです。こんな人間が【ジュネ】の映画を見て正しい見方をできるとは到底思われない。で、今回は感想めいたことを記述させていただきます。 結構濃密な配色は好きで . . . 本文を読む
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死刑台のエレベーター (2010/日)(緒方明) 70点

2010-10-15 15:19:39 | 映画遍歴
数十年前に見た映画だから特に元映画を気にして見ていたわけじゃないけれど、所々本家取りをしているんだよね。それはそれで映画ファンにはうれしくもあるが、ちょっと意外と二番煎じといった感じがしました。そういうシーンはさらりと流せばよかったんじゃないか、と、、。 やはり現代版にすると、夫を殺してまで一緒になろうとすること自体ヘンですよね。男も女もそういう熱病的に焼け付くような恋愛の描写がなかったし、、。 . . . 本文を読む
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メッセージ そして、愛が残る (2008/仏=独=カナダ)(ジル・ブルドス) 70点

2010-10-15 14:20:45 | 映画遍歴
人の死に気付く人たちが人間、死ぬ前にいかに何をすべきか、充実した時間を与えるにはどうすべきか、という少々説教じみた話である。どう展開してもこういう話は秀作にはなりえない内容なので、ポイントは映像と俳優の演技と後味のいい終わりの締め方である。 そういう意味ではこの作品は、【リー・ピンビン】の魅惑的な優美でなめらかなカメラテク、【ジョン・マルコヴィッチ】のポエムのような美声、そしてラストのメッセンジ . . . 本文を読む
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乱暴と待機 (2010/日)(冨永昌敬) 70点

2010-10-15 13:29:22 | 映画遍歴
ごめんなさい、というか風変わりを通り越してケッタイな話で、演劇だったらまだしも、映像でこれを通そうと思うとちょっときついのでは、と思ってしまいましたが、何か僕には最後まで違和感が付きまといました。 2段ベッドで他人なのに、お互いを監視し合う大の大人のお二人にそもそも入って行けなかったが、(ただ【浅野忠信】の変な大仰の演技は面白かった。 )この二人に興味が持てない観客はもうそこでこの映画を観る資格 . . . 本文を読む
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ようこそ、アムステルダム国立美術館へ (2008/オランダ) 65点

2010-10-15 10:55:27 | 映画遍歴
館内をひしめく多数の美術愛好家風の女性たちを、最初の10分間でまったく異質のドキュメンタリーだと思い知らせる作品です。この映画、ほとんど美術作品は出てきません。美術ドキュメンタリーものではこの点だけで完全異質です。 まず、再建にあたり、現在館内を通り抜ける自転車通路でもめます。美術品の所蔵よりも自分の生活優先の、人間のむき出しの醜さが露呈します。ここは税金で建てられる建物だからです。委員会にかけ . . . 本文を読む
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僕の最近の映画放浪癖

2010-10-08 13:46:45 | 徒然に、、
最近映画は見ているけれど、以前のように時間さえ合えば何でもという見方をしなくなった。 ちょっと前までは、例えば僕の席の周囲が女子高生ばっか、というのが結構あった。要するにケータイ小説の映画化という種類の映画も見ていたのであります。こういう見方も、いわば映画が向こうから僕の方に入ってくるわけで、思いがけずいい映画であることもある。最初から形を作ってしまうのはよくないと思っていたのである。 しかし . . . 本文を読む
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スープ・オペラ (2010/日)(瀧本智行) 70点

2010-10-08 11:24:10 | 映画遍歴
長年生活を共にしていた叔母が結婚のため、急に一人になった婚期が遅れ気味の女性の話。今や30代後半の女性ってざらにいる。その女性から見るちょっとした生活の変化を、ざわざわ眺めたあるひとときのの空間、、。 鶏がらスープさえ飲んでいれば何とか人生、生きていけるわよ、といったセリフだったか、予告編でかなり印象深かった。でも、冒頭の叔母の結婚騒動といい、その後何となく同居する羽目になる男性陣の登場といい、 . . . 本文を読む
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おにいちゃんのハナビ (2010/日)(国本雅広) 75点

2010-10-07 13:15:34 | 映画遍歴
難病もののいわゆる純愛ものというのではない。白血病の少女と引きこもり青年である兄と、そして彼らを繋ぐ家族、学校、地元有志会といった人間の心のつながりをじっくり見つめた作品である。 いやあ、見る前は何か気恥ずかしいというか、この映画を是非見ようという気にはなれなかったと思う。悪いが、時間の関係でたまたま見てしまった映画である。しかし、そんな不届きな吾輩も、この映画の真摯な人間のまなざしには本当に参 . . . 本文を読む
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美人図 (2008/韓国)(チョン・ユンス) 70点

2010-10-07 10:35:37 | 映画遍歴
こういう芸術ものは美術の香りが映像にあふれており、自然と演出・演技も本格なものとなっている。時間とお金を十分かけているのが分かり、映画作品としても上質の出来栄えである。 冒頭の兄の自殺が強烈で、主人公の人生を大いに左右する原点となろうと思ったが、作品ではそんなことあまりお構いなしに、娯楽作品へと突っ走っていったようだ。でもだいたい、女が絵師集団と昼夜問わず生活していて女と分からないはずがないと思 . . . 本文を読む
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『ガラスの葉』(作・フィリップ・リドリー 演出・白井晃)於世田谷パブリックシアター 75点

2010-10-03 14:37:01 | 演劇遍歴
最近小劇場ばかり行っていたので、東京に行くならと珍しくメジャー演劇を見ることにした。世田谷の三軒茶屋。俳優が萩原聖人/田中圭/平岩紙/銀粉蝶と超一流。 出し物は、と。これがちょっと知らないが現代のイギリス演劇らしい。 話はシンプルなんだが、結構難しそう。男と女。夫婦。子供が出来たのに妻は言いだせない。夫は聞いても喜ばないと思っている。実際告白したが夫は素直に喜んでいない。ここらで普通の家族物語で . . . 本文を読む
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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士( (2009/ス=独=デ)(ダニエル・アルフレッドソン) 70点

2010-10-03 13:37:30 | 映画遍歴
3部作と言っても、1部が完全ミステリー。2部がその後日談。そしてこの3部も後日談のパート2なのだ。こういうのってどうなのかなあ、1部が面白いからって、2部見せられる。2部見たからには最終作見ずにはおられない、なんてまた見てしまう、、。 連作と言ってもそれぞれ映画料金を取るのであるから、それぞれ一応完結しなければならないはず。僕にとって問題にしたいのは、完結しているようではあるが、2話があくまで本 . . . 本文を読む
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ルンバ! (2008/仏=ベルギー)(ドミニク・アベル / フィオナ・ゴードン) 70点

2010-10-02 16:48:14 | 映画遍歴
題名から想像していたようなダンス映画では決してない。そこがもう観客を食ってしまっている。その大会で優勝した後、夫婦は事故に遭い不思議な経験をするようになる。 90分近く画面を見つめていたが、『アイスバーグ』より僕には退屈。パントマイム映画のせいというより、主演の二人に華がないせいだからだろうか、どうも艶が出ないのである。足を亡くした女性と、記憶喪失の男性といった設定も、もうその時点でこの作品の本 . . . 本文を読む
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アイスバーグ! (2005/ベルギー)(ドミニク・アベル / フィオナ・ゴードン) 70点

2010-10-02 16:31:42 | 映画遍歴
まあ、それにしても現代ではとっくの昔に忘れ去られたかのようなほのぼの感のあるパントマイム映画と言っていいのか、かなり癖のあるコメディ映画である。 くすっと笑えるシーンが満載なのだが、実際は客席での反応は少ない。考えてしまうのだ。難解では決してないが、即笑えるコメディではないところが意外ととっつきにくい。 話も、冷凍室に閉じ込められた女性がそのショックで、寒いものにあこがれを持つようになり、氷山 . . . 本文を読む
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