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仲道郁代ピアノリサイタル(於・宝くじドリーム館)を聴く。(5/19)

2016-05-19 18:13:14 | 書きとめ日記

仲道郁代さんのリサイタルに行く。といっても宝くじドリーム館でのミニリサイタルである。昼間の1時間程度。ここはちゃんとした音響システムの整った会場ではなく、普通のホールである。こういう会場に月一でそうそうたるクラシック演者が出演されている。

実は先月までこのイベントの存在を知らなかったが、偶然知ることになる。かなり質の高いコンサートが毎月無料(驚き)で開催されているのだ。そして今日のコンサートを迎える。

仲道郁代さんはテレビ等でもおなじみの人で、実に音楽に造詣が深く、しかも説明がとても分かり易い。何より美人だ。CDを何枚か持っているが、どれも質が高い。僕は彼女がベートーベンより、モーツアルトより、実は日本では最高のショパン弾きであろうと思っている。

最初聴いたのは3,4年前だったか、大阪ビジネスパークのいずみホールでのコンサートだった。その時のショパンのバラード、ノクターンが素晴らしかった。いずみホールご自慢のスタンウェイのピアノ(云千万円するらしい)のせいかなあと思っていた。

しかし他の人のいずみホールのスタンウェイを聴いても彼女のその音には達しない演奏が多かったことに気づく。その時やはり音楽は楽器ではなく、演奏者によるものだと認識した。

それ以降、他の会場でも彼女の音は冴え渡っている。しかし、この宝くじドリーム館は普通のホールである。いわゆる音響効果をまったく設備しないホールである。今日は12時から本番だったが、かなり早めに会場に到着すると、何と仲道さんがリハーサルをされていて、ピアノと格闘されていた。

会場でリハーサルをしているのも僕は初めて見る。途中でも説明があったが、こういう会場での演奏は初めてなので、音響についてお客様にどういう音が入るのか考えながら調律をお願いし、練習していらっしゃるということであった。その間1時間強。ファンにとってはまたとない至福の時間であった。

そして本番が始まる。最初はショパンの「幻想即興曲」。ショパンでは定番中の定番、超有名な曲だ。音階を全部使用するのでこの曲から入ると言われる。

ところが、リハーサルでが強い音だった印象なのに、いつもの仲道の音に変質している。指先まで分かるクリアで繊細な音質である。

実は先月同じ会場で、某ピアニストが聴いた同じくショパンの音と全く違う。僕はその時ピアノが良くないのだろうと思っていたのだった。でも今日彼女が弾いているのは先月と全く同じピアノである。その音は何といずみホールでのスタンウェイと全く違わない。これはすごいことである。

今日の曲目はショパンのワルツが5曲。シューベルトの即興曲が2曲。シューマン、リストがそれぞれ1曲ずつ。1時間といえどとても充実したものであった。そして何と一曲ごとに彼女の解説がある。それはショパン、シューベルト、シューマンの人生を陰影を感じる内容の濃いものであった。

素晴らしい演奏会だった。もう感動で、胸が張ち切れそうであった、、。今日はいい日である。


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