気になっていた『山下清展』に、やっと行ってきました。
ドラマや映画にもなっている山下清さんですが、実際に作品を見るのは初めてです。いつも写真やテレビでしかみていなかった作品、やはり実際に目にすると全然違いますね。
こんなに緻密だとは・・・想像以上でした。この作品を山下さんは、現地で作っていないんですよね。戻ってきて、記憶をたよりに描く、貼る。
陰影の部分も、貼り絵で表現する素晴らしさ。得意とするこよりを使った立体感、じっくり堪能してきました。
当然のことですが、絵もとても上手なのですね。山下さんの特徴は、ペン1本で描いていることだそうです。普通、画家はペンを嫌うのだそうです。表現がしにくいから・・・・。山下さんはペンでも緻密に描かれるのです。東海道53次はとても素晴らしかったです。
作品数は少ないのですが、油絵もいくつかありました。絵の具が乾くまで手を加えられないという手法が山下さんには合わなかったそうです。
山下さんの頭の中にはすでに完成した絵があるのですね。だから、描きながら、貼りながら考えるのではないのです。完成図に合わせて、ひたすら手を動かす。乾くのなんて待っていられないっていう理由のようです。
そして、山下さんの作品に対する一つ一つのコメントがとてもあたたかい。
有名な長岡の花火では、「人間は爆弾を作らず、皆がきれいな花火を作っていれば、戦争なんておきないんだな」という感じの一言が、載せられていました。
子どもの純粋な部分を忘れていない人、そんな印象を受けました。
無理をしてでも行って良かったです。